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「こんにちは。ウサギ宅配便です。」
玄関を開けたら、宅配便のおじさんがにっこり笑ってそう言った。
「あなたのおうちでは、こちらの二羽のウサギを預かっていただきます。」
おじさんは、足元に置いておいた大きな箱を開けて、中のウサギを見せてくれた。二羽とも体は真っ白で、赤い目をしている。
「では、二日後の夕方にお迎えにきます。それまで、よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
二羽のウサギが声をそろえて、ぺこりとおじぎをしながら言った。
「月が満ちていくうちはいいのです。我々は数が多くないので、広々とした月でのびのびと暮らしていけます。ですが、欠けていくときはやっかいです。残りの土地に移りながら、暮らさないといけません。そのうち、月はきれいさっぱりなくなってしまいます。その日と前後の一日ずつ、合わせて三日のあいだ、我々月のウサギは地球でごやっかいになることが昔からの習わしです。お世話になります。」