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『山のクリスマス』

『山のクリスマス』 表紙
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文・絵のルドウィヒ・ベーメルマンスさんは、1898年、オーストリア生まれ。16歳でアメリカに移住し、ホテルで働きながら絵を学びました。最初の作品は、生まれ故郷のチロルを舞台にした本作品。「マドレーヌといぬ」でコールデコット賞を受賞。「げんきなマドレーヌ」をはじめとする「マドレーヌ」シリーズ(福音館書店)は、今なお世界中で愛されつづけています。

訳者の光吉夏弥さんは、1904年、佐賀県生まれ。舞踊、写真、子どもの本と幅広い分野で評論、翻訳、研究に活躍。1953年、石井桃子さんとの企画によってスタートした「岩波の子どもの本」によって、日本の本格的な絵本の世界を切り開く第一歩がはじまりました。主な訳書に「ひとまねこざる」(岩波書店)、「おおきいツリー ちいさいツリー」(大日本図書)などがあります。

『山のクリスマス』

ルドウィヒ・ベーメルマンス:文・絵
光吉夏弥:訳
出版社:岩波書店 ISBN:4-00-110033-9 C8798
1953年12月発行 950円+税

ココがいいね!

この時期になると、街はクリスマスムードに包まれ賑わいますが、今回は、静かな雪山でのクリスマスのお話をご紹介します。

町に住む男の子のハンシは、クリスマスのお休みを、チロルの山に住むハーマンおじさん一家のところで過ごすことになりました。汽車に遅れないように急いで出かけてきたハンシでしたが、いざ汽車が出発すると、はじめてお母さんと離ればなれになることにハッと気づき、急に心細くなりました。ハンシは、どんなクリスマスを過ごすのでしょうか…。

はじめはちょっと不安でドキドキでしたが、ハーマンおじさんの家に着いてからは、いとこのリーザールや、犬のワルドルのおかげで、ハンシは少しずつ緊張がほぐれていきます。山での生活は、町では味わえない体験がいっぱい!はじめての体験を楽しむハンシの様子に、読み進めるにつれ、温かい気持ちになれることでしょう。

静かな山での出来事をつづる情景描写も美しく、素朴でゆったりとした時間の流れを感じることができます。皆さんも、それぞれ素敵なクリスマスを過ごせたら「いいね!」