突撃インタビュー

第53回「平野選手・北原選手・中川選手」二年目の躍進を誓って ルーキー3人が語る一年目 vol.2

JX-ENEOS野球部で活躍する選手たちの声をお届けする『突撃インタビュー』は、今回が2011年のラストです。前回と2回連続のルーキー特集、今回は投手編です。ルーキーといっても、今年JX-ENEOS野球部に加入した投手の経歴は様々で、今回登場する平野貴志投手と、10月27日のドラフト会議で福岡ソフトバンクから5位指名を受けた嘉弥真新也投手は他チームからの移籍。10月に登場した屋宜照悟投手と今回登場の北原郷大投手は大学からの入社。そして、大トリでご紹介させていただく中川 諒投手は高校からの入社と、バラエティに富んだ陣容でした。この5人の中から、初登場となる平野、北原、中川の3投手が2011年シーズンと来季への抱負を熱く語ります。

まずは平野投手から。社会人野球ファンなら誰もが知っていると思いますが、日立製作所から移籍されました。高校、大学時代も含めて、JX-ENEOSファンの皆さんへの自己紹介をお願いします。

平野

「桐蔭学園高校で甲子園に出場し、法政大学へ進学してからは真剣にプロを目指していました。目指していたというよりも、プロのマウンドに立つことしか考えていなかったですね。だから、4年生になっても社会人野球をやっていくというイメージはまったく持っていませんでした。ところが、3年生の秋に右肩を手術したこともあり、ドラフトで指名されず、次のチャンスを手にしようという気持ちで日立製作所へ入社しました。1年目の日本選手権では新日本石油ENEOS(当時)と対戦し、田澤純一投手(現ボストン・レッドソックス)と投げ合いました。僕が5回途中までに3失点して負けてしまいましたけど。その後、また肩を痛めたりすることがあって、昨年の都市対抗が終わったあとに『お疲れさん』と。当時の日立は選手の入れ替えが激しかったので、仕方がないかなと自分を納得させ、一時はサラリーマンとして頑張っていこうかとも考えていました。そんな時に、大久保監督から声をかけていただいたので、『もう一度、納得するまでやってみたい』という気持ちでJX-ENEOS野球部にお世話になることにしました。正直言って、本当にありがたかったです。」

北原さんも、高校時代からプロ球団のスカウトに注目されるような投手でしたね。

北原

「そんなことはないと思いますよ(笑)。僕は3人兄弟の末っ子で、4つ上、2つ上の2人の兄も大学まで野球をやっていました。その兄が練習へ行くのについていくうちに、自分も始めたという感じです。徳島県立の穴吹高校は決して強豪ではありませんでしたけど、2年の夏が終わった頃に亜細亜大学から声をかけていただきました。3年春の県大会でノーヒットノーランを達成したこともあって、プロのスカウトさんも来られていたようですが、亜細亜へ進学できるとなった時点でプロのことは考えませんでした。東京の強豪大学でプレーできること自体、信じられないという感じでしたからね。大学では、1年生の時からリーグ戦で登板することができ、その頃はプロも目標にしようと思っていましたが、3、4年生で思い通りの結果が残せなかった。それで、さらに自分を高めていくにはどうすればいいか、2年間でプロを目指せる実力をつけるにはどこでプレーすべきか、大学の監督や親とも相談した結果、いくつか声をかけてくださった会社の中からJX-ENEOS野球部を選びました。」

さて、最後は中川さんです。甲子園で大活躍したのが昨年の夏ですからね。野球ファンの記憶にもくっきりと焼き付いていると思いますけど、あらためてJX-ENEOS野球部の一員となるまでのことを話してください。

中川

「僕は小学1年生から野球を始め、中学から佐倉シニアでプレーしました。中学2年生の時、唐川侑己さん(現・千葉ロッテ)が甲子園で活躍するのを見て、自分も唐川さんと同じ高校でやりたいと思って成田高校へ進学しました。それで、高3の夏に甲子園でベスト4まで勝ち進み、高校日本選抜に選ばれてアメリカへ遠征することもできたので、卒業後の進路はプロ一本に絞ることにしたんです。プロ志望届を提出したので、もし指名がなくても大学へ進学するのは難しいだろうと思い、その時はJX-ENEOS野球部にお世話になろうと……。でも、正直言って、社会人野球がどんなレベルで、どういう大会があるのかもよくわかっていませんでした。入社したばかりの頃は戸惑っていましたけど、先輩方がよくしてくださるので、今はチームにも溶け込めたと思っています。」

では、ENEOS野球部での1年目のシーズンを振り返っていただけますか。北原さんから。

北原

「最初に痛感させられたのは、打者のレベルの高さですね。社会人だと、下位打線でも大学のクリーンアップくらいの力があると感じました。だから、マウンドに立っただけで『打たれるんちゃうか』という気持ちになってしまいましたね。でも、コーチにアドバイスをいただきながら練習をしたことで、『打たれないだろう』と自信を持って打者と対戦できるようになった。今年は公式戦が少なくなり、実戦経験という面ではなかなか手応えをつかむことができなかった。それでも、相手どうこうより、まず自分に自信を持てたことがよかったのかな、と感じています。」

中川さんも、率直な感想を話してくだい。

中川

「入社したばかりの頃は、高校の時のように投げられていたんですが、そのうちに右肩に痛みを感じるようになって……。痛みといっても、ボールを投げられないというほどのものではありませんが、肩に痛みを感じたのが野球人生で初めてだったので、大事を取るようにしました。そうしたら、今度はストレートのスピードが以前よりだいぶ落ちてしまった。フォームなのか何なのかさっぱり原因がわからないので、それを探りながらレベルアップを目指したというのが1年目でした。オープン戦で投げたのも大学生との試合がほとんどで、まだ社会人の本当のレベルをわかっていないというのが正直なところです。もちろん、高いレベルだということは理解していますけど。ですから、今後は、社会人を相手に自分の力がどこまで通用するのかを肌で感じ、そこから課題を意識して練習していきたいと思っています。監督やコーチからも『もっと若さを出せ』と言われているので、気持ちを強く持って投げていきたいと思います。

10月には田畑選手も20歳になったので、チームで未成年は一人でしょう。先輩と一杯飲みに行くこともできませんし、プライベートな時間はどう過ごしているんですか。

北原
「隠さずに言えよ(笑)。」
中川
「最近のオフは、自動車教習所に通ったりしています。あとは、高校時代の友人と会うこともたまにありますね。」

平野さんの背番号41は、社会人では珍しい大きな番号ですけど、それは自分で希望したんですか。

平野

「いいえ、大久保監督から『これを着けてくれ』と。確かに社会人では、あまり着けている選手を見かけませんが、その分、目立つんじゃないかと。僕自身もとても気に入っていますし、投手としては良い番号ですからね。今シーズンは、7月に右肘を手術しました。投げようと思えば投げられない状態ではありませんでしたけど、無理をせずに来年は万全の状態で行こうということですね。そこまで考えていただいたのだから、自分がプロへ行くために云々ではなく、とにかくJX-ENEOS野球部のため、10回目の黒獅子旗獲得だけを目標にして投げていきたいと思います。感謝の気持ちを結果で表したいですね。」

社会人での経験がある分、JX-ENEOS野球部のよさを感じることもありますか。

平野
「そうですね。外から見ていても『緻密な野球をするな』と感じていましたけど、チームの一員になってみると、さらに細かな部分にまでこだわっているのがよくわかりました。そこには選手たちの意識の高さもあると思いますが、何より野球をやるために絶好の環境が整えられている。そこにJX-ENEOS野球部の素晴らしさを感じますし、何とか恩返ししたいという気持ちになりますね。」

また、平野さんは投手陣最年長ですから、気が付いたことをアドバイスしたりしていますか。

平野
「はい。とにかくチームが日本一なれるよう、自分にできることは精一杯やっているつもりです。ただ、そのアドバイスが北原に伝わっているのかどうかはわかりません(笑)。」

最後に、2012年シーズンに向けて取り組んでいること、また抱負や意気込みなどを聞かせてください。

中川
「練習にもしっかりついていけるようになりましたし、肩の調子もいい。ボールの勢いも戻りつつあるので、来年はより細かなコントロールを追求して、1試合でも多くマウンドに立てるようにしたいですね。オフのトレーニングはウエイトをメインにして、体を強く大きくすることにも取り組んでいます。あとは牽制やクイックモーションといった技術面でもレベルアップし、社会人の自覚を持ってやっていくつもりです。やっぱりプロを目指したい。そのためには、2年目の成長が大きなカギを握っていると思いますから。」
北原
「今シーズンは特別なスケジュールで、来年は都市対抗の日程が早くなりますけど、僕自身は日程の変更とか、来シーズンは流れが違うとか、そういうことは一切気になりません。『気合いで乗り切ったれ』みたいなタイプなんで。それよりも、オフの期間にフォームの改造に取り組んでいるので、何とかしっくりきている状態で来年の開幕を迎えたいですね。出足がよければ、上手く調整しながらチームの勝利に貢献できるんじゃないかと考えています。」
平野
「11月に強化練習で鍛えた体を維持できるよう、12月もウエイトを含めてしっかりとトレーニングしています。JX-ENEOS野球部の投手陣はレベルが高いですし、速いボールを投げられる投手も多い。その中で、僕が求められているのは勢いよりも安定感だととらえています。ピンチでリリーフに立ち、併殺打に仕留めて切り抜けるような、そういうピッチングをしていきたいですね。3人とも、いや、JX-ENEOS野球部の投手全員が、年齢や立場は違いますが、それぞれに『挑戦』というテーマを持って臨むシーズンになるんじゃないでしょうか。」

平野投手の「挑戦」という言葉に、北原、中川両投手とも大きく頷いていました。JX-ENEOS野球部での1年間で急成長した嘉弥真投手のプロ入りが、大きな刺激にもなっているのでしょう。来季の投手陣は、熾烈な競争を経て素晴らしい投球を見せてくれると確信できました。さて、2011年の『突撃インタビュー』は今回がラストです。いつもご愛読いただきまして、ありがとうございます。そして、都市対抗V10を目指すJX-ENEOS野球部に、これからも温かいご声援をいただけますようお願い申し上げます。ファンの皆様にとっても、2012年が素晴らしい年になりますように。それでは、また来年お会いしましょう。

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